はじめに
法人を立てる場合など、税理士と顧問契約することになるわけですが、 「どういう税理士がいいのか?」というところが悩むところだと思います。
私も法人を作った際には、複数の税理士事務所や会計事務所とやりとりしました。 その経験を踏まえ、よい税理士を選ぶための簡単な基準を示したいと思います。
税理士の性質は3種類
税務というと、重要なポイントとして「節税」という観点があります。 この点において、 何人かの税理士と話をしたり、税理士関係の話を調べたりして感じたことは、 税理士には以下の3種類いるということです。
- 節税に否定的で税務署のいいなりな税理士
- 節税に適度に積極的な税理士
- 節税に過度に積極的な税理士
順番に解説します。
1.節税に否定的で税務署のいいなりな税理士
このタイプの税理士は保守的で、 良く言えば法律を厳守するタイプ、 悪く言えば自己保身を第一に考えているタイプです。
税金というものは、経費の上げ方一つとっても、 どうしても解釈次第な部分が出てきてしまいます。 このとき、税務署側は課税が多くなる方向で解釈しようとするわけですが、 このタイプの税理士は税務署と同じような言動をとります。
つまり、顧客の利益を考える(もちろん適法な範囲で)ではなく、 いかに自分が税務署から突っ込まれないようにするか、 ということを第一に考えているということです。
このような税理士は融通がきかず、 契約するメリットはあまりないと言えるでしょう。
2.節税に適度に積極的な税理士
このタイプの税理士は、(適法な範囲で)節税に積極的で、 顧客の利益をきちんと考えてくれています。
節税というのは難しい部分もあって、 解釈を間違えると税務調査などで税務署と衝突するリスクもあるなかで、 どの程度まで節税に協力的か、というのは、 どれだけ顧客の立場に立ってくれているかのバロメーターになるでしょう。
契約するならこのタイプの税理士がよいと思います。
3.節税に過度に積極的な税理士
このタイプの税理士は、 一歩間違えると違法になりそうな、アグレッシブな節税をさせてきます。
そして、節税で儲かった(?)分の対価を求めるような、 そういう商売をしていたりします。 (例えば消費税還付で還付された額の30%を要求するなど)
相続税回避のために資産の名義をアレコレしたり、 危ない領域まで節税に積極的で、 顧客側も分かって付き合うならいいかもしれませんが、 あまりやりすぎると「脱税」として税務署に目をつけられて、 悪質な場合は顧客や税理士もろとも潰されてしまうリスクがあります。
こういうタイプの税理士は、なるべく避けたほうがよいと思います。
よい税理士の選び方
これまで解説してきた通り、 1と3のタイプはいずれも顧客本位とは言えないため、オススメできません。 選ぶなら2のタイプの税理士がよいでしょう。
面談の時などに、色々質問をぶつけてみて、 節税に対してどういう態度で臨んでいるのかを観察してみるとよいでしょう。
以上、よい税理士を選ぶ一助になれば幸いです。