バリ島で両替詐欺に遭いました(^_^;
被害に遭ってからお金を取り戻すまでの顛末です。
バリ島での両替詐欺はよくあるみたいです。 旅行へ行く方はご注意ください。
レートの良い両替所?
「バリのお金」のところでも触れているのですが、 バリの街中にはいたるところに両替所があります。
各両替所のレートがボードに記されていますが、 そのレートはバラバラです。 サークルKに併設されているような両替所は安全なのですが レートが低め(というかそれが標準)で、 街中にある怪しい両替所のレートは高めになっています。
怪しい両替所に入る
ガイドブックでは、両替詐欺についての注意喚起が載っていました。 「両替時にカウンターの内側にお金を落とす」という手口があるらしいこと。
でも、バリ島でそんなに両替詐欺がポピュラーだとは思わず、 「注意してれば大丈夫じゃね?」「高いレートで交換できればお得だよね」 という考えのもと、レートの高い怪しい両替所に入ってみました!(←カモ)
宿泊ホテル前の通りをしばらく歩いた場所にある、 奥に細長い店舗の、いかにも怪しい両替所…(笑)。
中に入る前に、レートのボードを何気なく写真に撮りました。 「1円=113.50ルピア」でした。 実はこの写真が、後で役に立つことになります。
中に入っていくと、怪しい男たち数人がとびっきりの笑顔で迎えてくれました。
奥の両替カウンターに、太った長髪の男が入りました。 どうやらコイツが両替担当のようです。
男に1万円分両替したい旨を告げます。 1万円なので113万5千ルピアになるはずです。
男は5万ルピア札の束を取り出し、 10枚、10枚、に分けてカウンターの上に置きました。 こちらも一応警戒しているので、その束を手に取って数えます。 確かに10枚、10枚、で合計20枚、100万ルピアです。 男は私が数えた束を手に取り、カウンターの自分に近い位置に置きなおしました。 ここでちょっと違和感を感じたのですが、その時点ではこちらも札束を注視しており、 向こうも札を抜き取るようなことはしていなかったので、あまり気にしませんでした。
残りの13万5千ルピアですが、男は5万ルピア札3枚、15万ルピアを出してきました。 1万5千ルピア分のおつりを出してくれと言うのです。 1万5千ルピア…あったかな?と財布の中を探し、渡します。 その前後で、男はカウンター上にある5万ルピア札10枚の束2つとバラ3枚を、 1つに合わせてトントンと揃え こちらに渡してきました。 こちらは1万円と1万5千ルピアを渡します。 無事取引成立です。 ルピアの札束を受け取り、財布に入れます。 ルピアの札束は自分でもさっき数えたので、間違いはないはず。
「トゥリマカシー!(ありがとう)」とお礼を言って意気揚々と店を出ます。 やったー得した!という気分と共に…
あれ…なんかお金が少ない?
その後は特に疑うこともなく、1日遊んで宿に帰りました。 しかし、この夜、ダマされたことに気づきます。
どうして気づいたかというと、うちらはこの旅行中、 使ったお金を毎日エクセルに記録 していたんですよね。 「旅行中なのに細けぇなオイ」と思われるかもしれませんが、 旅行って油断すると使途不明金が増える(笑)ので、 どこで何を買っていくら使ったとか、 レストランでの飲食からミネラルウォーター1本まで全部記録してました。
ところが、集計してみると、どうしても金額が合わない。
それも、
ぴったり50万ルピア足りない
という…
「何か大きなことで使ったお金を忘れてないか?」と一生懸命思いだそうとするものの、 どうしても思い出せない。 ていうか、数万ルピアの少額ならともかく、ぴったり50万ルピアってのは明らかにおかしい…。
もしや…あの怪しい両替所でしてやられたのでは…?
思い起こせば、詐欺のタイミングが1度だけありました。 そう、 男が札束をトントンと揃えたときに、 10枚分の札束をカウンターの内側に落とした に違いありません。
次第に疑問は確信に変わり、怒りがこみ上げてきました。 我々は 見事に両替詐欺に引っかかってしまった のでした…。
しかし、その日は夜も遅かったのでそのまま寝ることにしました。
お金を取り返しに行くことに
次の日、どうしても我慢ならなかったので、 だまし取られた50万ルピアを妻と二人で取り返しに行くことにしました。
言葉がうまく通じるか不安だったので、 説明を紙に書きました。
「オラァ、金返せゴルァ!!ポリス呼ぶぞゴラァァ!」 と詐欺師とのバトルを事前に脳内シミュレーションするものの、 やはり不安は隠しきれない…。 だいたい、詐欺師がすんなりお金を返してくれるんだろうか? おまけに一晩経ってしまっている。 普通の旅行者だったら泣き寝入りするところだろう。
だがしかし、泣き寝入りするのはあまりにも気分が悪いので、 ダメもとで突撃することに!
鼻息荒くホテルを出たときにふと、警官風の服を着た ホテルのセキュリティの人 が目に入りました。
バリ島では爆弾テロ事件をキッカケに、ホテルや飲食店にセキュリティの人、 つまり警備員が配置されていて、 車に爆弾がないかなどをチェックしているのです。
セキュリティだけあって強そうな感じ。
- 私「…あのセキュリティの人、ついてきてくれないかなぁ」
- 妻「あー、いいかもね、頼んでみる?」
- 私「いやでも、業務外だろうし…無理じゃね?」
- 妻「うーん…、ホテルのフロントに相談してみようよ」
妻とそんな会話を交わし、ホテルのフロントに相談するために一旦戻ることにしました。
- 妻「プリーズヘルプミー! かくかくしかじか」
事前に書いた説明書きを見せながら、両替詐欺に遭ったことを伝える妻。
- フロント「OK…ちょっと待っててください」
え? 対応してくれるんだ?
- フロント「ガードの人が一緒に行ってくれますので、10分くらい待っててください」
ガードの人…ってなんだ? 入口にいるセキュリティの人かな?
と思っていたら、ほどなくして、ズドドドドド…という音と共に
バイクに乗った軍人風の屈強な男が3人
ホテルに到着しました。
何だ・・・コレ?(゜Д ゜;)
いざ、悪徳両替所へ!
軍人風の男3人は、「レギャン・ガード」というらしいです。 レギャン・ガードとは、レギャンの街全体の治安を守っているガードマンだそうです。 彼らが一緒に取り返しに行ってくれるらしい。
さらにホテルのフロントの人と、セキュリティの人も来てくれるとのこと。
ということで結果、悪徳両替所へ以下のような戦力で突入することに。
うん、負ける要素が無い。
これならたとえガラの悪いチンピラが出てこようが何だろうが、 瞬殺ですよ!
悪徳両替所はホテルの近所でしたが、バイクに乗っていくとのこと。 え?僕もそのバイクに乗るの? レギャン・ガードのバイクのケツに乗せられ、 悪徳両替屋退治に向けて通りを爆走!! 気分はヒャッハー!!(by 北斗の拳)
- レギャン・ガード「あの店か?」
- 私「違う」
- レギャン・ガード「あの店か?」
- 私「いや違う」
- レギャン・ガード「あの店か?」
- 私「YES!!あれあれ!」
店の前にバイクで乗り付け、
屈強な男4人(と弱小日本人2人)で
ドカドカと悪徳両替所に踏み込んでいく!!
オラオラオラー!! ガサ入れだガサ入れだ!!(゜Д ゜)
店内には数人の男たち(詐欺師一味)がいましたが、 みな突然の出来事にあっけにとられた様子。 そりゃそうでしょう。 前日騙した日本人が、強そうな男を大勢連れて乗り込んできたんですから。
レギャン・ガードが、店の男を問い詰める。 我々も促されて、説明書きを見せながら、 つたない英語で「50万ルピア返せ!」と叫ぶ(笑
向こうはなんかモゴモゴ言っていましたが、 こちらが前日に撮ったレートを書いたボードの写真を見せると、 「…OK」といってしぶしぶ50万ルピアの束をこちらによこしました。
その場で札の枚数を確認、確かに5万ルピア札が10枚。 無事、お金を取り戻すことができました!
上の写真、カウンターの奥の男、右の立っている男、 手前のしゃがんでいる男が詐欺師一味です。
なお、詐欺師は昨日の両替詐欺の行為を問い詰められると、 「間違えた」と言い訳していたそうです。 ハァァァ!? 間違えただぁ?? んなわきゃねーだろォォォォォ!!(゜Д ゜#) 氏ね!!! (心の叫び)
現場の店構えはこんな感じ。 赤で囲った部分が悪徳両替所です。 店内ではレギャン・ガードによる詐欺師への尋問が行われています。
左隣の店はアイスクリーム屋なのですが、 フロントの人いわく、そっちはおそらく詐欺とは無関係とのこと。 バリでは家賃を節約するため、1つのスペースを2つに区切って、 2人のオーナーでシェアすることがあるそうです。
つまり、店舗スペースのシェアによって 奥に細長い店を作り詐欺を働き、 おまけに家賃も安く済むという、一石二鳥の手口ですね。
その後
フロントの人に、 「レギャン・ガードに特別なことをしてもらったので、彼らにいくらか渡してください」 と言われたので、謝礼として3人分、10万ルピアをレギャン・ガードのリーダーにお渡ししました。 フロントの人にもお世話になったので謝礼を渡そうとしたのですが、 「こちらには一切いりません」と断られてしまいました。 むしろ「バリで嫌な思いをさせて申し訳ない」という態度でした(^_^;
レギャン・ガードに渡した10万ルピアを差し引くと、 1万円を103万5千ルピアで両替したことになります。 最初からサークルKに行っていれば110万ルピアくらいになったはずなので、 金銭的には若干損になりましたが、 なかなかできない貴重な体験をすることができました。
何より、ダマされたままのイヤな気持ちではなく、 詐欺師に勝利しスッキリした気持ちで旅を続けられたのが大きかったです!
フロントの人いわく、 「彼ら(レギャン・ガード)にはパワーがあるから取り返せた。 自分たちだけで行ってたら、たぶん返してもらえなかっただろう」 とのこと。 実際体験してみてそう思いました。 旅慣れてて言葉も達者で腕力もある人なら自力でなんとかできるのかもしれないけれども、 バリ初心者の弱小日本人だけでお金を取り戻すのは、なかなかハードルが高いのではと思います。 あんな狭い店の奥で複数の男に囲まれる状態で、何されるか分からないし…。 女性ならなおさらですね。
なお、フロントの人によると、 悪徳両替所はバリの政府機関に通報 することができるそうです。 通報方法は、英語でEメールを送れば良いようです。 URLを聞かなかったのでちょっと探してみましたが、これかな? (間違ってたらゴメンナサイ)
http://www.baliprov.go.id/ (メアドはサイト内の下部に)
被害者を減らすためにも、悪徳両替所はどんどん通報したほうがいいかもしれませんね。 もし泣き寝入りしてしまった人も、通報すれば少しは気が晴れるのではないでしょうか。
以上、両替詐欺の話でした。 悪徳両替所はあちこちにあるのでご注意ください。 バリ旅行される方のお役に立てば幸いです(^_^
まとめ
- 怪しい両替所(ボードにレートが手書き)には立ち寄らない。 サークルKの両替所を使う。
- 万一ダマされてしまったら、ホテルのフロントに相談してみる。
- 悪徳両替所は、バリの政府機関に通報してやろう。