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2015/02/13 updated
2014/04/19 created 「耐用年数」を考える

「耐用年数」を考える

はじめに

不動産投資を行うにあたり、物件の築年数というのは 必ず検討される項目であると思います。

その際、必ず出てくるのが「法定耐用年数」です。 そして築年数は、法定耐用年数とセットで語られます。 「この物件は法定耐用年数があとどれくらい残っているか」とか 「融資は残存の法定耐用年数以内で」とか 「この物件は法定耐用年数オーバーだから云々」とかですね。

今回はこのあたりについて考えてみたいと思います。 「法定耐用年数って何?」という方は先にこちらをどうぞ。 →法定耐用年数とは

※本コラムは私の個人的な見解を述べたものです。 一つの意見としてお読み頂ければ幸いです。

「法定耐用年数」と「実際の耐用年数」の違い

税金や積算の計算をするだけなら、 法定耐用年数だけを考えていても特段問題はありません。 というより、「建物が実際にあとどれくらいの期間、使用に耐えうるか」 という「実際の耐用年数」は物件によって千差万別なのであり、 それでは税金の計算ができないため、 法定耐用年数を定めておかざるを得ないといえます。

ただ、法定耐用年数は機械的に定められた値であるため、 物件そのものの実際の耐用年数とは何の関係もないということに注意が必要です。

木造家屋でもきちんとメンテナンスされていれば、 30年でも40年でも使用できます。 逆に、メンテナンスがおろそかであれば、15年くらいでも 朽ちて使えなくなるかもしれません。

「法定耐用年数」と収益性の関連

さらに、こちらが投資家にとってはより本質的な問題だと思いますが、 法定耐用年数と、その物件がいつまでどれだけ収益を生むか、ということは全く関係がない ということです。

不動産を買おうとする場合、融資を使うことも多いでしょう。 その際、銀行は法定耐用年数以内での融資を基本とすることが多いため、 投資家のほうも、「残存法定耐用年数が少ないからダメ」 「法定耐用年数を超えているからダメ」といった見方をしがちです。

確かに、残存法定耐用年数が少ない場合、ローン期間が短くなるため、 どうしてもキャッシュフローが薄くなります。

例えば、木造の法定耐用年数は22年ですので、 築17年の物件ではローン期間は5年となります。 この場合、かなりの高利回りであるか、 現金の割合を相当増やさないと、 キャッシュフローはマイナスになるでしょう。

逆に、RCの法定耐用年数は47年ですので、 築17年の物件でローン期間が30年取れれば、 キャッシュフローはプラスになるでしょう。

しかし、私はこの、「法定耐用年数でローン期間を決める」やり方自体に 違和感を感じます。

「収益耐用年数」という考え方を提唱したい

前述の木造築17年の物件と、RC築17年の物件、 どちらも築17年、という点においては同じですが、 銀行のローン期間は5年と30年、という大きな開きが生じます。

これってちょっとおかしくないですか? 確かに木造に比べてRCのほうが頑丈で長持ちするとは言え、 同じ築17年で、一方はあと5年使えて、一方はあと30年使える、という評価なわけです。

実際には、木造物件だって適切にメンテナンスやリフォームをして、 地域的に賃貸物件の需要があれば、 あと20年くらい収益を生み続けることは十分可能でしょう。

逆にRCでも、メンテナンスやリフォームを怠っていたり、 地域的に賃貸物件の需要が少なかったりすれば、 あと10年くらいで収益を生まなくなるかもしれません。

つまり投資家にとっては、 その物件がいつまで収益を生むかという「収益耐用年数」のほうが大事 なのではということです。

ローン返済の原資は何でしょうか? 家賃収入ですよね。 その家賃収入の有無って、法定耐用年数で決まるんでしょうか? 違いますよね。

であれば、ローン期間も法定耐用年数で一律に決めるのではなく、 その物件固有の収益耐用年数を考慮すべきだと思うんです。

仮に、残存法定耐用年数がゼロだったとしても、 収益耐用年数があと10年と判断するのなら、融資は10年引いてもよいと考える。 (法定耐用年数以上の融資をしてくれる銀行もあります)

逆に、残存法定耐用年数が30年あったとしても、 収益耐用年数があと10年と判断するのなら、融資は10年までと考える。

そういった実際の収益に基づいた判断のほうが、より現実的ではないでしょうか。 (とはいえ、未来予測って難しいんですけどね…^^;)

なお、ローン期間が減価償却期間を超えるとデットクロスが云々…の話ですが、 購入するのがその一棟だけ、というならともかく、 継続的に複数の物件を購入・所有していく場合、 損益は通算されますので、所有物件全体を見て、 全体として収益が上がるように調整していけばよいと思います。

「収益耐用年数」を決める3要素

さて、「収益耐用年数」はどのような要素によって決まるのか。 私は「物理的寿命」「経済的寿命」「社会的寿命」の3つの要素があると思います。

物理的寿命

物理的寿命は、文字通り、物件の物理的な寿命です。 建物の躯体自体が朽ちていき、使用不能になる状態を指します。

これは建物のメンテナンス状況により大きく変わるものだと思います。 メンテナンスが悪いと建物が早く傷んでしまい、寿命を縮めることになります。 法定耐用年数以前でも建て替えを余儀なくされるかもしれません。 逆にメンテナンスが良ければ、半永久的に持つかもしれません。(収支が合うかは別として)

経済的寿命

築古になってくると様々な設備が躯体より先に限界を迎え、 修理費、交換費がかさんできます。 また躯体自体も徐々に劣化していくため、メンテナンスが必要でしょう。 そうして収入より支出が多くなり、収支が回らなくなる状況が、経済的寿命です。

特にRCの場合は、設備の更新に加え、配管のやりかえ、外壁修繕、屋上防水など、 何をやるにも多額の工事費がかかってきます。 配管の交換のしやすさなど、最初から修繕を前提とした作りになっているかどうかなども 影響してくると思います。

社会的寿命

法律が変わって耐震性に問題のある建物になってしまったり、 間取りや設備が新しい時代のニーズに合わなくなったり、 周りがみんな新しい建物に建て替わっていて入居者がつかなかったり、 地域の人口が減って入居者自体が少なくなるといった外的状況により、 経営が回らなくなるのが社会的寿命です。

やはり変化しつづける社会についていくのにも限界があります。 使用に問題がなくても、時代や環境に合わなくなれば寿命となります。

「収益耐用年数」の目安

収益耐用年数が上記の3要素で決まってくるとして、 では平均的な目安のようなものはあるのでしょうか。

これは私の個人的な見解ですが、標準的な運用がなされていた場合、 以下のような年数が目安になるのではないかと思います。

  • 木造: 40年
  • 鉄骨: 50年
  • RC: 60年

それぞれ法定耐用年数よりはだいぶ長めに見積りましたが、 やはり歴史的建造物でもなければ、これ以上は厳しくなってくるのではないかと思います。 (全ての物件がそうだと言っているわけではありません。平均的な目安の話です。)

というのも、収益物件の場合、 物理的寿命、経済的寿命、社会的寿命の3要素のどれか1つでも限界を迎えると、 運営の継続が難しくなるためです。 その時点で、解体・売却、あるいは建て替え、といった選択を取ることになるでしょう。

法定耐用年数に縛られる必要は全く無いと思いますが、 収益物件である以上、やはりどこかで収益的な寿命を迎えるということは、 意識しておく必要があると思います。

まとめ

  • 法定耐用年数は、税金や積算の計算をするための便宜的な値
  • 実際いつまで収益を上げられるかという「収益耐用年数」を考えよう
  • 収益耐用年数は、物理的寿命、経済的寿命、社会的寿命によって決まる

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  • HN:どらり
  • 横浜在住の作曲家大家さん。30代でサラリーマンを引退し、AKB等の作曲、アパート5棟の経営、不動産スクールの講師等を行う。宅地建物取引士。元セキュリティエンジニア。
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